西尾陽子会長が最も大切にしていることは、家訓でもある
「陰徳を積む」ということだ。
これには続きがあり、陰徳を積めば「子孫が反映する」と言われている。そのことを父から子供の時言われ続けてきたそうである。80歳近くの年齢になり、やっとそのことが少しずつ分かってきたという。孫娘にそのことを教えられたそうである。
ある年のバレンタインデーの日のこと。仏間から子供の声がする。はて誰かと思い、ふと目をやると孫娘が仏壇に手を合わせて、こう言っていた。「おじいちゃん、今日はバレンタインデーよ。おじいちゃんにもチョコレートをあげる。」とチョコレートをお供えして、手を合わせていたのである。誰もそんなことを教えていたわけでもないのに小学校低学年の孫がしていたのである。それを見て、会長はこれまで人知れず陰徳を積んできた甲斐があったと感じたそうである。そのことをその孫の父、すなわち自分の息子に話すと、「そうやな、自分も何か心配事やここぞというときは自然と仏壇の前で手を合わせているな。たぶん両親がしていたのを子供のころから見ていたので、それが当たり前やと思っていたのかもしれんな。」と言っていたとのこと。
老舗のご当主は先祖への敬いを決して忘れない。それはここまで何十代も続いてきたのはご先祖様一人一人のお陰であることを、心から感謝しているからこその想いである。
また当社は形こそ株式会社となっているが、気持ちは西尾商店だという。社員も大きな家族の一員であり、仲間なのだ。親から子へ、家族同士が愛情を注ぎ合い、育っていくように、3つの段階で愛を注ぐのだ。先ずは母親の愛、次に父の愛、そして兄弟の愛である。
まだ赤ん坊のころは守ってあげる必要がある。まさに母親の包み込むような優しい愛が必要である。そして物心がついてくると分別をわきまえさせることが必要となる。そこで父の厳しい愛が必要となる。そして自我が芽生えると、兄弟たち仲間と楽しむ友情の愛が必要となる。この順番は社員教育でも同じことなのだという。先ずは母の愛で受け入れ認めてやる。そして父の愛でしっかりしつけて成長させ、友情の愛で、仕事を楽しむことでさらに発展するというのだ。
まとめ
西尾会長からは数多くの事柄を学ばせていただきました。お読みいただきました皆様にも家訓の大切さ、先祖への敬いについて心にとめていただければ幸いです。
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