ものづくりの匠の技

永楽屋伊兵衛 訪問レポート①

永楽屋伊兵衛

創業405年 日本で最古の綿布商として、当時の実力者織田信長から家紋と細辻の姓を得て始まっている。綿布から呉服まで、皇族、貴族、裕福な商人たちの庇護を受け、大きくなった細辻家であるが、その歴史には様々な困難が立ちふさがった。天変地異、内乱、政変、突然の政府による本店用地買収要請等、そして近年では不況、綿製品の海外輸入など廃業に追い込まれるほど最悪の経営状況にも陥った。

そこで創業家の娘婿として入った、細辻伊兵衛氏は大正、昭和の時期に先代が考案した手ぬぐいのデザインを蔵で見つけ、現代版にアレンジすることで再興を図った。品質、デザインにこだわり、元々アパレル系での仕事もしていたことが功を奏し、製品化に成功した。多店舗展開も進めたが、最終的には京都だけの店舗に絞り、営業を行っている。

細辻氏の営業戦略は独特で、自身をモチーフに使い、ご当主自らを売り出した。コスプレと言っていいほど、様々な衣装を自身でまとい、イベントや展示会を開催した。華道の家元とのコラボレーションも行った。30m近い手ぬぐいをデザインした。四季のもみじ、龍の全体図、108つの表情を持つだるまの図、などなど。

イギリス大英博物館とのコラボレーションも行い、ガイアの夜明けにも出演した。細辻氏の挑戦はまだまだ続く。後継者の息子さんは現在修行ということで、東京の大手商社に勤務中。父の姿を見て、ここを継ぐ意思も固まりつつあるようだ。

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